滋賀で木の家、自然素材の注文住宅を建てています。

有害化学物質の総量を下げる必要性


シックハウスの現状

今もシックハウスはいろんな形で人体に悪影響を及ぼしています。
ホルムアルデヒドによるシックハウスの被害は少なくなりましたが、
花粉症やアレルギーや小児喘息などの発症理由のひとつとして化学物質の関与が考えられています
40~50年前、花粉症やアレルギーや小児喘息で悩む人はこんなに多くありませんでした。
それらの発症理由のひとつとして室内化学物質の関与が考えられています。
欧米では、有害な化学物質等から子供を守るための動きが活発です。

シックハウスについて以前のようには騒がれなくなっていますが、厚生労働省が人体に影響があると定めた13種の揮発性有機化合物の内、建築基準法で規制がかけられているのはホルムアルデヒド(使用制限)とクロルピリホス(使用禁止)のみで、換気が義務づけられるようになりましたが、他の物質は測定されることも、使用が制限されることもなく使われており、根本的な解決にはなっていません。

      
今もシックハウスが原因で不定愁訴で悩まれている方は多くいらっしゃいますが、体調不良の原因がシックハウスと気付かず過ごしている方も多いようです。

現実に見るシックハウスの実例

シックハウス被害に困っているご家族の実例
ウイズダムデザインで建てられたお客様からアレルギー性鼻炎や皮膚炎が良くなったということはよく聞きます。

他にも、ある工務店の建売の家を買われ方が「家の化学物質の臭いで気分が悪くなり、1年経っても引っ越せない」と相談に来られ、ウイズダムデザインでよく使うホタテ漆喰(ホルムアルデヒドの吸着分解能力のとても高い)を ビニールクロスの上からを塗ったところ、「臭いが無くなった!」と1週間後には引っ越され、元気に暮らされています。「真っ白なビニールクロスの上にまた壁を塗るなんて、それで本当に大丈夫かなと思ったけれど、やってもらって良かった。鼻炎の症状も治った」とのことでした。

『自然素材の防音室』でも紹介していますが、大手ハウスメーカーのモデルハウスに行く度、お子さんが落ち着きがなくなり「帰ろう!」の連発で家の話しもしていられない状態だったそうです。ご両親は「化学物質のせいかもしれない」と考えられるようになられ、自然素材の家を探されるようになり、見学会などに何度も来られ、お子さんがいつも通り穏やかにしていられるのを確認し、ウイズダムデザインに依頼されました。お住まい後も全く問題なく健やかに暮らされているなど、いろんなシックハウスが原因であると考えられる事例が多くあります。
「シックハウスはいつ誰に発症するかわからない」と言われています。
ウイズダムデザインでは有害物質の総量を下げる家づくりを提案しています。

 

シックハウスにどう取り組むか

シックハウスについて国土交通省の見解

国土交通省住宅局(建築基準法などの施策を推進しているところ)のホームページにも
「‥建築基準法さえ守ればシックハウス対策は十分、というわけではありません。
住宅選びに当たっては、トルエン、 キシレンなど他の化学物質対策もしっかりチェックしましょう。‥」と記されています。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/sickhouse.files/sickhouse_1.pdf

 



 

木質材料から出る有害化学物質ほぼゼロの家

体に優しい家にするために有害化学物質ほぼゼロの家

「ハウスメーカーの新しい展示場に行ったら化学物質の匂いであたまが痛くなった」とか「新築の賃貸住宅に住んでいるけれど、帰ると体がだるくなり、どうしてだろうと思っていた」などの話を聞きます。

ウイズダムデザインでは室内化学物質測定を行い、有害化学物質ほぼゼロの家を目指しています。

そのため標準仕様で構造材、壁材、内装材、断熱材、塗装も全て自然素材です。

内装以外のところで合板を用いることもありますが(耐震性能を確保するため)、ホルムアルデヒドを含まない水性高分子-イソシアネート系接着剤を使用しているムクボードなどをお奨めしています。
Jパネル

 

専門家の提言

専門家のいろいろな研究結果

・北里研究所臨床環境医学センター 北里大学名誉教授  宮田 幹夫 先生
『まだまだ不十分なシックハウス対策、ゼロが不可能なら、総量を下げる』


住宅のシックハウスは改善の兆しが見えますが、現実的にはまだまだ不十分。今だに社会的責任の大きさを自覚しない、大手住宅メーカーが一部に存在していること。

有害な新建材を多用したものは数年経っても空気汚染は改善されず、実際ホルムアルデヒドは指針値以下に下がりにくいこと

有害物質はそんなに単純に限定することはできず、一つ一つの毒性はもちろん、怖いのはその複合汚染で、体は入ってきた毒素を分解しきれなくなって、数々のシックハウス症状を起こしてしまうこと。

有害化学物質をゼロにすることが不可能なら、せめてその総量を下げるための取り組みが必要」と指摘されています。

・昔ながらの日本家屋はシックハウスとは無縁
・先人の知恵を組み入れて、自然資材である木の効力を活かす

『Wood Voice』(けん木連発行)より抜粋引用
http://www.motheru.jp/kakeru03.html 化学物質過敏症に取り組まれている宮崎先生の働きについて書かれています。



 

・首都大学東京名誉教授 星旦二先生
『住環境再考 第2章 健康は住まいに宿る』より抜粋引用 (p72~75)
(PPK(ピンピンコロリNNK(ネンネンコロリ)などの有名な造語をつくられた『ゼロ次予防』に取り組まれている先生です)


星先生の家の実例として書かれています。

2002年に大手住宅メーカーで新築された家は、当初から半年ほどは目がチカチカする新築で、室内の有機溶剤の濃度が高かったと考えられること。
ご夫婦の顔に入居前まで全くなかったシミと良性腫瘍が急に広がり出し、ビニールクロスの接着材や合板からの有機溶剤によって、良性腫瘍が発生した可能性があり、有機溶剤の濃度を測定すべきであったと後で気付いたこと。
今後新築ないし、改築される方は工業製品を最小限にして、自然素材にこだわった健康的な家づくりをしていただきたいと願っておられること。

花粉症が増大した背景と理由について考察する仮設を述べられています。
1969年代までの家は、ほぼすべて自然素材。その後接着材を多用した合板とビニールクロスが使われ出し、公害や自動車などの大気汚染の影響もあったが、本質的な原因はシックハウスではないかと考えておられること。

子供たちの喘息アレルギー湿疹が多いことも同様。比重の重い有機溶剤に24時間さらされているのは、床に過ごしている赤ちゃんで、ハイハイする赤ちゃんは、有機溶剤を皮膚からも吸収すること。ハイハイしている床から這い上がり、つかまり立ちをして、外出が可能になるころから、喘息アレルギー湿疹が改善していくことは、暴露時間の短縮化と合致すること。
喘息アレルギー湿疹に悩む家族に対して、子供部屋に珪藻土と漆喰をおすすめられていること。とりあえず子ども部屋だけを漆喰に塗り替えることで、約数か月後には「快適な子供部屋で症状が和らぐこと」がほぼ確実に実証できていること。

寒い家を、新聞紙つまりセルロースファイバーを用いた断熱化と、二重窓、それに無垢材のフローリングに2014年11月に改築され成果はすぐに見られ、冷暖房費が低減し、健康面でとても熟睡でき、夜中にトイレに起きなくなりました。奥様の血圧は見事に低下したこと。

寒くない住宅で体を動かし、楽しい食事での笑いも含めて、血圧安定化に寄与することを明確にすることを計画され、「ゼロ次予防方法は自分や家族でも対処できる日常の予防法であり、家族の力量形成とその向上にほかならない。」と述べられています。



・平成14年4月、世界保健機関(WHO)欧州事務局と欧州環境庁(EEA)が子どもの健康と環境について共同報告書を発表

○ 発達段階の子どもは環境汚染の影響を特に受けやすいため、早い年齢における環境中の化学物質への暴露によって、子供は長期間の影響を受ける可能性があること
○ 子どもはある種の化学物質に対して特有の感受性を持っていること
○ 子どもはものをつかんで口に入れる習慣があるため、土壌やおもちゃ等を通じて直接的に環境中の化学物質に暴露する可能性があること
○ 子どもは大人よりも体重あたりの呼吸量と飲食量が多いため、大人よりも有害化学物質を多く摂取すること
等が指摘されるなど、子どもへの環境因子の影響が、世界的規模で着目されている背景があることが、この提言の根拠のひとつとなっています。
このように、化学物質が人に与える影響は、成長期の子どものほうが大人よりも大きいと考えられています。また、近年増加傾向にある子どものアトピーや喘息等のアレルギー疾患の発症理由のひとつとして、化学物質の関与が考えられています。
次の世代を担う子どもを化学物質から守ることは、今取り組むべき極めて重要な課題です。



我が国では、子供を対象とした健康影響調査や子供が利用する施設の低減化対策などは、ほとんど実施されていないため地方での独自の取り組み
・東京都福祉保健局
化学物質の子供ガイドライン「室内空気編」


私たちの身の回りには、5万種を超える化学物質が製品や食品などに含まれて流通しているといわれています。これらの化学物質は、私たちに豊かで快適な生活の恩恵を与えていますが、環境汚染や健康への影響などの原因になることがあります。これまでも有害な化学物質に関するリスク評価や健康影響調査が行われていきました。しかし、これらの調査は大人の体格を基準としたもので、子供への影響に十分配慮されたものではありません。一般に化学物質が人に与える影響は、成長期の子供のほうが大人よりも大きいと考えられています。近年増加傾向にある小児のアトピーやぜん息などのアレルギー疾患の発症理由のひとつとして、化学物質の関与が考えられています。また、内分泌かく乱化学物質は、妊娠中のお母さんから吸収され胎児に影響するといわれています。このように、次世代を担う子供から化学物質によるリスクを回避することは、今取り組まなければならない大きな課題です。海外では、有害な化学物質等から子供を守るための動きが活発です。アメリカ合衆国では、マイアミ宣言以降、子供への環境リスクに関する調査戦略に基づき、曝露評価やリスク低減対策を先行的に実施しており、EUでも子供を対策の重点に置いた行動プログラムを進めています。 我が国では、子供を対象とした健康影響調査や子供が利用する施設の低減化対策などは、ほとんど実施されていないのが現状です。そこで東京都は、化学物質による子供への影響を防ぐための独自のガイドラインを策定し、子供たちが安心して生活できる社会の実現を目指していくこととしました。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/kankyo_eisei/jukankyo/indoor/indoorindex/indoorairguideline.html



大阪府健康医療部 環境衛生課  大阪府シックハウス対策庁内連絡会議

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/134/00041925/sickall.pdf  ホームページにも詳しい取り組みが記載されていますのでご覧ください。

・厚生労働省室内濃度指針値一覧表

指針値とは、厚生労働省の「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」で審議され、指針値は、これまでに次の13の化学物質に定められました(これらは常温・常圧で空気中に揮発され、空気を汚染し、シックハウス症候群や化学物質過敏症などの健康被害を引き起こす可能性があります)、有害物質は厚生労働省が選定した13種類以外にもあります。しかし、全ての揮発性有機化合物に指針値を定めるのは不可能であるため、室内の空気汚染の目安として、13物質以外の個々の濃度の総計で規制しています。
現在建築基準法で規制がかけられているのは、ホルムアルデヒド(制限)とクロルピリホス(使用禁止)の規制のみです。