滋賀で木の家、自然素材の注文住宅を建てています。

自然素材で五感のやすらぐ家であること


「家が一番いい」と帰ってくる度に思う

完成見学会をさせていただくと入って来られた方の多くは「木の香りがする」と言って深呼吸されます。
きっと何か好ましい空気であることを感じられるのでしょう。

お住まいになられているお客様から「どこかに遊びに行っても、家が一番いいと帰ってくる度に思う」という言葉を聞かしていただけるのも『慣れ親しんでいる我が家』ということだけでなく、「鼻炎の症状が良くなる」「エアコンをほとんどをつけなくても過ごせる」などお客様の言葉の端々に木の持つ人に良い効果が作用していることば感じられます。「遊びに来た友達が、なんか心地いいねと言って長居して帰ろうとしない」「友達が来るたび木の家はいいよ。建てるなら木の家にしなさいと勧めているよ」などと言っていただける理由をいろんな実験やデータを交えてお話しします。

 

五感のやすらぐ自然素材の木の家

自然乾燥させた杉はとても爽やかな香りがして、人の肌に優しく、柔らかで温もりがあります。



=肌に触れる場所は杉と漆喰=

 

杉の香りでリラックス&快適な睡眠

杉には気分をリラックスさせる効果のある材油成分が含まれていて、吸い込むことで脈拍が下がり、睡眠時と同様の脳波になるといわれています。

この材油成分には「セスキテルペン」という精神を安定させる成分が多く含まれています。
血中のストレスホルモンを低下させる効果があり、脈拍、血圧、脳血流、ともにリラックス状態になり、脳が緊張状態から鎮静状態に変化します。

また杉に含まれる成分である「セドロール」には、誘眠効果があります
眠りにつくまでの時間が短縮され、睡眠効率も上昇し、快適な睡眠がとれます

「親が泊りがけで来ると体調が良くなり、とても家のことを喜んでくれます。」といったことを複数のお客様から聞かしていただいてます。杉のこのような効果が作用しているものと思われます。



快適さのおはなし/宮崎良文(日本規格協会)より引用

 

杉は温もりがあり、柔らかくて、人にやさしい

ウイズダムデザインの家にお住まいのほとんどのご家族はスリッパを履かれていません。男性は素足の方も多いです。一般的なフローリングでは冬場冷たくて履かずにはいられませんが、杉の無垢材のフローリングなら大丈夫です。

杉という素材は体が触れていても熱を奪いにくい特性があります。

触った時冷たく感じるのは体温が奪われたからであり、熱の伝導の仕方が高いからです。
木は熱伝導率が低い物質ですので、体温が奪われにくく、足元が冷えにくいのです。
杉をフローリングに使うと冬場は足が冷えにくく、体への負担が減ります

木を電子顕微鏡で見ると小さな細胞でできていることがわかります。
その空気を含む小さな細胞が体温を奪いにくくし、またこの細胞の空洞がスポンジみたいなクッションとなって歩いた時足に優しく疲れにくく、手足がぶつかったときの衝撃をやわらげてくれます

無垢の杉のフローリングなら冬でも直に座れます。また夏でも湿気を吸ってくれるのでサラッとして気持ちが良と言われます。

ハイハイする赤ちゃんにも体が冷えず、柔らかく汗をかきやすい赤ちゃんでも湿気を吸ってくれるので体にやさしく負担が少ないと言えます。



足元が冷えると倦怠感や眠気を催し、作業効率が悪くなるという実験データもあります。


10℃の室内で40分読書をしていた大学生の自覚症状のデータでは、木材床よりコンクリート床で過ごした場合の方が「眠気とだるさ」を訴える場合が多くなっています。
注意集中の困難さはコンクリート床では約2倍になっています。
差し替え作業における失敗率もコンクリートの床の方が高くなります。
足元の冷えは倦怠感や眠気を催し、作業効率を下げる事になります

文部科学省ホームページ「木材利用の意義と価値」よりhttp://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/pdf/2-2.pdf
文参照:(静岡県木材協同組合連合会発行「五感がよろこぶ住まいづくり」より

 

 

マウス実験で住環境の差が生存率に大きな影響を及ぼした



実験:マウスを木、金属、コンクリートのゲージに入れて、環境の違いが生体にどのような影響を与えるか
結果:生後20日後のマウスの生存率は、木製では88%、金属製では42%、コンクリート製では7%であった。

 

環境の違いがマウスの生理や行動にどのように影響したか

木以外の素材は体温が奪われるために、お母さんマウスが授乳のために腹這いになる時間が短く、栄養不良の子がでてきてしまい、さらに乳を吸えば子マウスは汗をかくが、金属やコンクリートの床は熱が奪われ、湿気を吸収しないため、体力の消耗が激しかったそうです。
さらに、お母さんが子供たちをかき集めるという、母性本能もこの環境下では働きにくかったと考えられています。

この実験された有馬先生は、ここに大切なメッセージがかくされていると言われます。
「たとえば床材を選ぶ際、傷つかない、汚れない、メンテナンスが楽、便宜主義に流されていないかということです。
重要なのはそれが私たちの体にふれる素材であるという認識です。

『小中学校を対象に木造校舎とコンクリート校舎を比較した調査』では冷えた環境にいるコンクリート校舎の先生や生徒は、イライラや疲労などを訴える割合が高い
これはマウス実験でわたしが感じたことと非常に似ています。
実際、冷えた環境に置かれたマウスは喧嘩が多く、計測の際にもよく暴れたのです。
今、教育の現場で問題となっている子供たちの心の荒廃。
それを少しでも和らげるために生命体としての人間を思いやる環境づくりというものが必要な時代になってきています

東京大学名誉教授  有馬 孝禮 先生
『Wood Voice』(けん木連発行)「心と体が接する住空間に自然素材のぬくもりを」より抜粋引用

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/shoku/koushi/k05/post_2.shtml
マウス実験に触れての詳しいコメントが載せられています。

 


確かに日本の現代の家は自然素材の良さに気付かないまま、便利やカッコイイ、安いなどの理由で瞬く間に工業製品の家に切り替わってしまいました。便利な機能は歓迎しますが、それによって大切なものがたくさん奪われてしまっています。もう一度、人が住む場所として大切なものは何かを問い直す必要があると思います。

 

「夏の電気代がとても安い!」

ウイズダムデザインの家にお住まいの方からよく「夏の電気代がとても安い」「エアコンをあまり使わず過ごせている」ということをお聞きします。

それは断熱性はもちろん調湿効果のある建材を用いているという理由が大きいと思われます。内装に杉板、ホタテ漆喰、断熱材にセルロースファイバーと全て湿気が高ければ吸ってくれる建材を用いています。快適だけではないいろいろなメリットがあります。

杉には部屋に湿気がこもってきたら湿気を吸い込み、逆に乾燥してきたら湿気を吐き出すという、湿度をコントロールする能力があります。それにより結露を抑えたり、カビやダニ、いろんな細菌の増殖を抑えたり、建物を長持ちさせる効果があります。



結露を放置するとカビやダニが増殖します。
子供の寝室が木の部屋の場合が最もダニアレルギーが少ないそうです。

 

栃木県の中学で湿度の調査
栃木県の中学の校舎では内装を全て杉と檜の無垢材使用。
無垢材の吸放出性能を活かすため米ぬかや荏胡麻等が主成分の自然塗料を床や壁など木部全てに塗装(石油系塗料は使用せず)天井は無塗装の校舎で年間の湿度の推移意を測定された結果
年間を通して湿度40~60%が保持していたそうです。

教師のコメント
2月の乾燥時期でも湿度が40%を下回ることが一度もなく、6月の梅雨時期でも60%程度しかなく、年間を通して理想的な湿度が保たれている。学校関係者の話しで「冬季は暖房が付いているのかと勘違いするほど暖かく、温もりを感じている。夏季は冷房をつけていると勘違いするほどさわやかさを感じる」と言われています。(文部科学省ホームページ「木の学校」より)

 

杉の木目の揺らぎは安らぎを感じます

杉のひとつひとつ違う木目は自然のリズムを奏でていて安らぎを感じます
せせらぎや波の音、そよ風などの不規則なリズムと共通していて『1/f ゆらぎ』と言われます。
一見同じに思える人の心拍間隔にも、この揺らぎがあるそうです。

また表面には細かい凹凸があり紫外線を吸収し、光を程よく拡散するので目にやさしいです。

引用:「木質環境の科学」より



 

杉は耳障りな音を吸音し、柔らかい響きに変えます

楽器やコンサートホールの壁や天井にも木がたくさん使われていま。これは木が耳障りな音を吸収し、柔らかい響きに変えて耳に心地よい音にしてくれるからです。音を吸収しない材質だと残響音が残り聞きづらくなります。

木造はコンクリート造の部屋に比べて音を適度に吸収するのに対して、コンクリート造の部屋は音が反響し、残響音が消えにくく、耳障りな音が響きます。

引用:「木質環境の科学」より


声楽家の家レッスン室

 

杉に触れているとき脳波や血圧が安定し、穏やかになれます

人が木に触れていると自律神経の活動は安定したままで、ストレスを感じない状態になるという実験結果がでています。

引用:「快適さのおはなし」より

 

確かにコンクリートの建物の中にいると、底冷えする寒さや、キンキン響く音などが気になることがあります。商業施設などでは大きな空間を取りやすくメリットも大きいですが、人が住み疲れを癒す空間としての家としてはデメリットの方が大きいと言えます。

 

 

文部科学省も学校の木質化を奨めています
(文科省ホームページ「木の学校」より抜粋)

木は、柔らかさ、手触り、温かさ、柔らかな音の響き、香りなど人の五感に優しい特性をもっています。
木から揮発するフィトンチッドという物質の香りなどは人をリラックスさせ、また木の床は人間が歩くのに程よい弾力性があって疲れにくいと評価されています。
また湿度を保つことにより結露をなくし、健康な環境作りが図れることも優れた特性のひとつです。



 

内装は『杉板張り』又は『塗り壁』が標準仕様です

ウイズダムデザインでは塗り壁をお奨めしています。写真はホタテ貝を原料とした漆喰壁です。



ビニールクロスは使いません。
ビニールクロスは安価で工期が短いことがメリットです。
デメリットとしては、調湿性がないためカビやすく石油からできている化学物質でやわらかくするために可塑剤が入っています。
クロスを貼るときに一般的には化学糊が使われ、シックハウス症候群を引き起こす可能性があります。

首都大学東京名誉教授 星旦二先生は『住環境再考 第2章 健康は住まいに宿る』で
「喘息アレルギー湿疹に悩む家族に対して、子供部屋に珪藻土と漆喰をおすすめしています。とりあえず子ども部屋だけを漆喰に塗り替えることで、約数か月後には「快適な子供部屋で症状が和らぐこと」がほぼ確実に実証できます。」と言われています。

ホタテ壁の特徴は
・ホルムアルデヒド、有害化学物質を吸着、分解し、放出しない
・調湿性に優れ、結露の発生を防ぐ
・消臭効果に優れている
・カビの発生を防止する
・耐火性・耐熱性に優れている
・無機質なので、火災による有毒ガスの発生がない
・チリ廻りがやせにくく、(純粋な)珪藻土に比べクラックが入りにくい


産業廃棄物として産出されるホタテの貝殻からつくられる循環型リサイクル商品。
天然素材・無機質だから解体時に土に戻すことができます。

(珪藻土は純度の高いものは調湿性がありますがヒビが入りやすく、それを防ぐために樹脂が入れててあるものは調湿性能が落ち、化学物質を含む建材ですのであまりお奨めはしていません。)

 

木のメリット、デメリットってどんな事があるの?

木の家って癒されそうな感じがしていいなって思うけど「何かお手入れが大変そう」「高くつきそう」などという印象を持たれている方も多くいらっしゃいます。


 

木は元々植物で自然の物です。伐って建材として使ってもその性質が残っています。例えば木の細胞の空洞は空気を多く含んでいます。そのおかげで熱伝導率が低く、外の寒さや暑さを伝えにくい、また湿気に対して吸放出性があり、湿度が高いと吸い、低いと放出するので湿度を一定の範囲内で保たれ保ってくれます。空気をきれいにする効果、クッション効果、吸音効果、紫外線を吸収する効果など、五感のやすらぐいろいろな効果を産み出します。「体に優しく居心地が良い」と感じられるのは木の細胞のおかげで工業製品の建材と違うところです。

しかし反面、湿気や水分を吸ったり吐いたりするので、乾燥する時期になるとフローリングが空(す)いてきたり、梁に割れが入ったりします。また柔らかいので傷つき易いといったことがあります。

(ここでいう『木』とは自然乾燥又は低温乾燥の無垢材切り出した天然木の一枚板を加工したもの)のことで、集成材や高温乾燥の木材や合板ではありません。)

知っておいてほしい木のメリットデメリットについて

大空間を取りにくい無垢材

鉄骨や集成材は大空間が取り易いですが、無垢の木の家はそれに比べると大きな空間が取りづらいです。どうしても大空間を取りたい場合は、その部分には集成材を用いるなどの工夫はできます。

また無垢材で作られる木の家は、反ったりすることがあるので集成材に比べ扱いにくく、経験のある大工さんの技術が必要です。
建てるのに時間が掛かります。最初の上棟まではプレカット工場で刻むことが多いですが、その後は大工さんによる現場での作業となり、ウイズダムデザインの場合、こだわった家が多いせいもありますが、工事が始まって約6ヶ月ほどかかることが多いです。

家は大変高い買い物で、長く使い、その材質が、日々の暮らしにも体にも大きく関わってきます。価値観はそれぞれですが、建てる時だけのことを考えるのか、その後ずっと住み続けることを視野に入れて考えるのかで選択は変わってくると思います。


 

フローリングの比較 無垢材と樹脂コーティングした合板

無垢材のフローリング

メリット:暖かく、柔らかく、湿気を吸放出する。長く使える。

ウイズダムデザインで建てた木の家では、冬でもスリッパ無しで過ごされる家が多いのですが、そのことからもわかるように手や足など末端から体温を奪われることが少ないので体への負担が少ないと言えます。合板のフローリングに比べ、杉は暖かく柔らかいのでカーペットを敷く面積も少なく掃除もしやすくなり、それらもダニの繁殖を防ぐ効果になります。

デメリット:傷つきやすい、多少汚れやすい。
乾燥や収縮により反りや空(す)いたり、割れなどが生じることがあります。また、スギなど柔らかい材は硬いものを落とすとへこんだり、傷がついたりする場合があります。繊維が切断されていなければへこんだ場所に濡れティッシュなどを一晩おいておくと戻ることもあります。

お手入れ:『自然オイル仕上げ』は植物油などを原料とした自然塗料で、木材に染み込ませて保護するもので、無垢材の質感や特徴を活かすことができます。半年か年に1度は塗布した方がいいと言われます。(現実にはあまりなさってないご家庭が多いようですが、)歳月が経つにつれて艶や色に味わいが出てきます。ウイズダムデザインでは水回り(キッチン、トイレ、脱衣所など)はコルクタイル(水に強い、柔らかい、暖かい)をおすすめしています。

 

樹脂コーティングした合板のフローリング

メリット:汚れにくく、樹脂で表面が固めてあるのでキズつきにくい。無垢材に比べ安価。

デメリット:
硬く、冷たく、湿気を吸放出しない。20~30年で張替えの必要がある。揮発性化学物質を放散します。カーペットを敷くことになりダニの増殖を招く。

お手入れ:水をこぼした時でもすぐに拭き取らなくても大丈夫です。ワックスは種類にもよりますが、3年に1度程度かけた方が長持ちします。

 

 

結露、耐久性、乾燥、シロアリなどについて

木の家を建てるにあたって知っておいたほうが良い知識
現代の暮らしと木の特質を活かすため試行錯誤が繰り返されています。その現状について


 

結露について

木は人の住む家の建材としてとても良いものです。また長持ちします(数百年持っている家も多くあります)。
しかし湿気の多い日本では間違った使い方をすると短い年月で朽ちていきます。

日本の高温多湿な気候に合わない木材はそもそも使わない方が良いと考えています。北欧のホワイトウッドなど(ハウスメーカーなどでよく使われている)木材腐朽菌やシロアリがいない環境で育つ木はは湿気の多い日本の環境下では腐朽菌に対する抵抗力が無いため容易に腐りやすく、シロアリの餌食になります。北米から輸入されるSPF材(スプルース、パイン、ファー頭文字をとった輸入建築材)や米ツガ、米マツも同様と言われています。

また構造上で結露を防げるように考えられているかが大切な点です。現代では高気密、高断熱でさえあれば良い家のように思われている風潮があります。壁の内部は見えませんので気付くまでに時間がかかります。夏に外との温度差ができるということは、冷えたコップの表面が汗をかくように室内に水滴がつきます。室内と同時に壁の中でも発生します。高気密と結露しないことの両立は極めて難しく、内断熱か外断熱かということだけで解決するようなことではありません。壁の中に通気が無いと水蒸気は通り道で結露し、カビや腐朽菌を繁殖させ、木材を腐らせていきます。(24時間換気を行うことは結露の防止に役立ちますが、少しでも空気のよどむ場所があるとそこで水蒸気が結露します。)しかし気密性は高くないと快適に暮らせません。

ウイズダムデザインで現在考えている最良の方法として、全ての建材を調湿性のあるものにし、可変調湿気密シートを断熱材の内側に張るという工法で、湿気が留まらないよう抜いてしまうという考え方です。

可変調湿気密シートは、周囲の温湿度に応じて透湿抵抗を変化させ、季節によって変わる湿気の流れに応じた、適切な湿気調節を行います。
外が寒く室内が暖かい季節(主に冬) ⇒ 湿気の流れは中から外へ
湿気は空気の流れに乗って室内から屋外へ移動しようとします。この時透湿抵抗を上げて湿気の構造内部への浸入をシャットアウトします。断熱材の外側(室外側)に透湿性のある適切な防水シートを使っていれば、構造内部にまだ残っている湿気は空気の流れに乗って外へと排出されます。
外が暑く室内が涼しい季節(主に夏) ⇒ 湿気の流れは外から中へ
湿気は空気の流れに乗って屋外から室内へ移動しようとします。この時透湿抵抗を下げて湿気に対してオープンな状態になり、湿気の流れを妨げません。湿気は狭い構造内部に留まることなく室内側へと流れて排出されますので、内部の夏型結露を防ぐことが出来ます。

 

 

木の乾燥について

これまで本物の自然乾燥材は人工乾燥材や集成材に比べて「劣る」と言うハウスメーカーや建材メーカーなどがあり、そのようなイメージが定着しかけていましたが、(自然乾燥した後の含水率が(人工乾燥材や集成材に比べて)高く、木の動きで狂いや、表面の乾燥割れなどが生じたりする為)
最近では、自然乾燥材に対する情報発信が進み、見方が変わっている事も事実です。

まず、自然乾燥材につきものの、木の”動き”といった現象は、木が「切られても生きている」という証拠です。
自然乾燥材は木の細胞が“呼吸”しています。呼吸する事により、細胞が収縮・膨張し、木が動きますが、ほとんどの場合木材の強度的な面から問題はありません。

自然乾燥材は、調湿効果(周囲の湿度によって木の細胞が水分を吸ったり吐いたりする事で室内の湿度を適度に保つ)や強度的な観点から見た粘り強さ、見た目の美しさ、木の本来の香りと言った数々の優れた特徴を無理矢理に変えてしまったものが高温乾燥材や集成材と言えます。高温乾燥材や集成材は、自然乾燥材に比べて木の動きが出にくい事や品質の均一化、機械加工(プレカット)の容易さといったメリットは有りますが、強制的に乾燥させる、接着剤を多用する事により木の本来の特徴は消え失せ、単なる「工業製品」いわゆる「新建材」となります。

自然乾燥材は、高温乾燥材に比べ、色つや、香りの面でも大きく差が出ます。高温乾燥の木材は同じ木材でも自然乾燥または低温乾燥した木材と比べて粘りがなく、耐久性の弱い木材です。自然乾燥材は日常の気温、風に晒して自然な状態でゆっくり乾燥させていきます。時間は掛かりますが、木の細胞を殺すことなく、木が本来持つ独特の色つや、香りを引き出す事が出来るのです。

最近では、立木伐採時に原木で乾燥する葉枯らしと組み合わせる方法や、低温での人工乾燥と自然乾燥をミックスさせる方法も登場しています。ウイズダムデザインでは構造材に葉枯らし乾燥と低温乾燥をミックスさせた材をよく使っています。

 

シロアリの被害について。
シロアリの被害は種類によってが出やすい材と、出にくい材があります。
湿度が高いと食べられやすくなります。

最も食べられにくいのは青森ヒバの心材です。ヒノキも食べられにくい材です。抗菌性の高いヒノキチオールが多く含まれているからです。
外材の米ツガやシベリアカラマツなどは食べられやすい材です。

一番下の土台の木材にはシロアリ処理が行われることが多いですが、人体に有害な薬が使われ場合があるのでその意味でも要注意です。
通気性を良くし、かつシロアリに食べられにくい材を使うか、健康に害のないシロアリ処理を施すことが必要です。

ウイズダムデザインでは土台にヒバかヒノキを用い、構造材に低温乾燥の杉を用います。杉はヒノキに比べるとシロアリに喰われやすいといわれますが、芯持ち材の赤身は食べられにくいといわれています。そして健康に安全なホウ酸で防蟻処理をしています(シロアリはゴキブリの仲間です。ゴキブリ駆除のためホウ酸団子が使われることはご存知の方も多いと思いますが、同じ効果がシロアリにもあります)。そして基礎断熱にし、床下の湿気を抜けるよう床ガラリなどを取り付け室内と一体になるようにしています。また目視で点検しやすいよう点検口を設け床下を高くしています。

 

 

ウイズダムデザインで杉の多用をお奨めしている理由

・現在日本には戦後に植林されて構造材としても使える成長した杉がたくさんあり、価格的にも安いこと
・杉を使うことが日本の山や自然にも良くCO2の削減につながるということ、木は再生可能な資源であること
(山にお金が回り手入れできるようになること、老木になると光合成は活発ではなくなる)
・日本で育った木は日本の自然環境に合っていること
・無垢材の杉の家は湿気が溜まらないようにすれば長持ちする(歴史が証明)。(長持ちする家は世代を超えて住むことができる、そのような家のストックがたくさんできれば住居費が安くなり、生活にゆとりができる
・長く使われてきた家が廃棄される時がきても杉の無垢材はエネルギー資源としてリサイクルできること。
・杉が人の体に大変良いことが科学的にも証明されてきていること

 

木の豆知識『フィトンチッドと多孔質』

『フィトンチッド 』
微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質。
植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことを指す。
森林浴はこれに接して健康を維持する方法だが、健康だけでなく癒しや安らぎを与える効果もある。
フィトンチッドはその殺菌性や森林の香りの成分であるということから良いイメージがあり、森林浴の効能を紹介する際に良く用いられている。(wikipediaより)
フィトンチッドは赤身のところに多く含まれています。


『多孔質』
木の細胞の空洞が空気を多く含んでいます。
これが、断熱効果、クッション効果、湿気の吸放出効果、吸音効果、紫外線を吸収する効果など、五感のやすらぐいろいろな効果を産み出します。


 

建物の構造の特徴
木造 柱や梁が木でできている。
(国産無垢材でできた『木の家』と『普通の木造住宅』は区別される)
重量鉄骨造 柱や梁が鉄骨で大きな空間をとることが可能
軽量鉄骨造 柱や梁が重量鉄骨に比べ細い鋼材。大手ハウスメーカなどが採用しているプレハブ工法に多く用いられる。
鉄筋コンクリート造 鉄筋とセメント・砂・砂利からできているコンクリートで造る。耐火性が高いが熱伝導率が高いので夏暑く、冬寒い