滋賀で木の家、自然素材の注文住宅を建てています。

1本の食パン 保存する箱の違いで驚きの差が!

実験の目的は、一般的な家の内装(ビニルクロスや合板など)で作った箱と、杉で作った箱に食パンを入れて違いが出るかを検証してみました。

1本の食パン(2斤)を半分に切り、『一般的な家の内装(合板にビニルクロス貼り・樹脂塗装のフローリングの箱』(左)と『杉板張りの箱(天然乾燥の杉の赤身(右)』に入れ観察しました。(上部は透明のポリカーボネートで蓋をし、ビニールテープで箱の隙間をふさぎました。食パンは添加物を含まないパンを選びました。気温・湿度は、大津市気象庁発表)

 


9/5(土) 35.1℃最高気温 24.5℃最低気温 86%最高湿度

実験開始

 


9/14(月) 26.7℃最高気温 18.9℃最低気温 74%最高湿度

9日目 左の箱のパンのカビが増えてきました。蓋のポリカに結露がみられるようになってきました。

右の箱は変化が見られません。

 


9/16(水) 29.2℃最高気温 20.1℃最低気温 86%最高湿度

11日目左の箱のパンのカビが増え、蓋のポリカの結露で中が見えなくなってきました。

右の箱は変化が見られません。

 


9/18(金) 29.8℃最高気温 21.3℃最低気温 85%最高湿度

13日目 左の箱の結露がひどくなり中が見えないので、ポリカを軽くたたくと結露が落ち少し見えました。カビがパンを覆いほとんど見えません。

右の箱はカビなどの変化は見られません。箱を傾けるとパンが滑りって箱にあたり、硬そうな音がしました。パンは乾燥してきているようです。

 

生活の中では換気や人の出入りがあるので、この実験経過のようにはなりませんが、現代の家は気密性が高くなり、調湿性が無い建材を使った家では、カビが増えアレルギー症状やダニの増殖を招いていると言われています。また壁の中では、夏場のエアコンの冷気でビニルクロスの裏や、防湿シートや、調湿性の無い断熱材のグラスウールなどの中で逆転結露(以前は冬の結露が問題視されていました)がおき、家の構造の寿命が短くなっている報告されています。

 


10月14日実験開始から40日目です。左の箱は結露し続け、カビがパンの全てを覆っています。

右の箱は結露もなくカビも見えません。

 

驚くべきは、杉の箱で40日経ってもカビは全くみられません。パンは冷蔵庫に入れていてもカビが発生しますが、

今回の実験がこのような結果になったのは偶然では無いようです。

 

今から1300年ほど前に建てられた※正倉院の校倉(あぜくら)づくりは檜の部材で作られ、宝物は杉の唐櫃(からびつ)に入れられて保存されてきました。最近の調査で、杉には、調温作用、調湿作用、オゾンや二酸化窒素など宝物を劣化させるような物質を吸着する機能があることがわかってきた言われています。


近年発表の科学的なデータでは、人間も木の空間にいると、癒されたり、インフルエンザにかかりにくくなったり、ダニやカビを寄せ付けず、気管支ぜん息やアトピー性皮膚炎などにかかりにくくなったり、乳がんによる死亡率が低下したりといったことが報告されています。 

人間も正倉院の宝物と同じように木に囲まれて生活していれば、健康で美しく、いつまでも長生きできるのかも知れません。

 

※正倉院に収められている宝物は、繊細な細工や染織も、鮮やかな色と形を失わず残っています。薬や香料は今でも効能を保っていると言われています。これほど優秀な倉庫は、世界でも正倉院をおいては他にはなく、正倉院は「世界の宝庫」と言われています。 (木づかい.comホームページより引用)