滋賀で木の家、自然素材の注文住宅を建てています。

無駄を省いて建築費削減『オープンシステム』とは

無駄な経費を省き、質を下げず建築費を削減!

【無駄な経費】ってどんな費用なのか…

「建築家に我が家を依頼するなんて考えてもいなかった。」とよくいわれます。

一般的に国産無垢材を使った100年住めることを考えた家を提案している工務店なら坪単価80万円以上の見積もりは普通です。

たいていの方は量産ハウスメーカーのモデルハウスに行かれて価格の高さに驚かれるようです。
「ハウスメーカーでこんなに高いのだったら、まして建築家に頼む家や木の家なんて全然無理でしょう」と思われる方がほとんどの様ですが、オープンシステムを採用すればそれは正しくありません。


『設計事務所と建てる家』は自分の暮らしに合った自由度の高い家ができますが、一般的にはコストは高くなります。また木の家は熟練した大工さんが手作りで建てていかなけらばならず、工期もかかり、大量生産した既製品を組み合わせて建てていく家のようにはいきません。オープンシステムは、設計士が設計から工事の工程までこなすことにより、中間に入る工務店や人手を省くことや、できるだけ直接購入することで徹底的に無駄を省き、通常の建築費に比べ16%前後の削減を可能としています。今までの平均で60万円台後半(設計料込み)の価格で建ててきました。

 

オープンシステムの誕生秘話

オープンシステムが生まれたきっかけとは?

元々、一人の建築家が、設計の依頼を受けた店舗の工事見積もりを数社の工務店に依頼したところ、予算内に納まらず困っていました。しかたなく工務店を通さず、建築家が直接工事をする業者から見積もりを取ってみまと工務店の見積もりよりもかなり安く、建築家が工事の工程も管理し(本来は工務店の仕事)、予算内に建物を完成させました。お客様からも大変喜ばれ、必要な経費を取りこの方式を広めたらどうかと勧められました。

それが基になり、全国の建築家に声を掛け、保険制度などを整備し、一般のお客様にも勧められるようシステム化したものです。
(一般的には、設計事務所は設計依頼された場合、設計後、一括請負の数社の工務店に競争見積もりを取り、工務店を選び、その工務店が建物を建てます。)

資料請求で無料でプレゼント
hyo2
【オープンシステムが漫画で分かる!】
マンガで分かる!「価格がみえる家づくり」この物語は二つの実話を合体してつくりました。家づくりを疑似体験してください。
原作:山田家人 マンガ:高下知代 構成:ラ・コミック

 

 

『オープンシステム』って大丈夫?

オープンシステムってあまり聞かないけれど、保障は大丈夫なの?

直接工事業者に発注するという方法は、工事関係者が自分の家を建てる場合によく行っていた方法で、中間に業者が入らない分安くなり、昔から行われていた方法です。特別な発注形態ではないのですが、万が一事故などが起こってしまった場合のことを考えると、一般のお客様には広める事ができませんでした。

しかし、オープンシステムでは保険制度の整備や建築士のネットワークによりそれが可能となりました。
外国ではよく使われる建築の方法『コンストラクションマネージメント(construction management) 略してCM』です。

(国土交通省のホームページ:引用)発注者の補助者・代行者である※CMR(コンストラクション・マネージャー)が、技術的な中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計の検
討や工事発注方式の検討、工程管理、コスト管理などの各種マネジメント業務の全部又は一部を行うもの。
※設計士がCMRを行います。

現在このオープンシステムは全国に約200社の設計事務所が採用。
また建築方法としてもNHKクローズアップ現代にも取り上げられました。
オープンシステムを運営するイエヒト
http://iehito.co.jp/opensystem/
 

オープンシステムの保険

何かあった時には補償されてるの?

オープンシステムの保証制度
オープンシステムのような『分離発注方式』の場合、お客様が各工事業者と直接契約をする『分離発注方式』は経費を乗せる業者が減る分、建築費がかなり削減できます。

しかし、それではもし「何かあった時」の経済的補償制度が整っておらず、その為一般の方に『分離発注方式』を広めることができませんでした。(工事関係者が自宅を建てる時にこの方式で行う程度)

この保険の仕組みを確立しなければ、オープンシステムは広まらないと考え、用意されたものがオープンシステム補償制度です。
オープンシステムで建築される建物は全て設計会員により登録され、その建物は設計会員を介し、オープンシステムの補償サービスを受けることができます。

あっては困りますが、人が介在して工事をする以上、残念ながらミスを皆無にすることはできません。

このような保険制度が確立されていることは、分離発注を行う上でお客様にも設計事務所や工事業者にとっても、安心して建築を進めていける大切な要素であると考えています。

・誰が加入する保険?

オープンシステム建物登録制度とオープンシステム補償制度は、お客様の建物に「もしも」の事が起こった場合に、お客様に迷惑が極力かからない様にする為の、設計会員及び登録業者を経済的にバックアップするための制度です。
よってお客様が加入される必要は無く、設計事務所および各専門業者が加入、契約します。オープンシステム建物登録制度に登録された段階から補償が適用されます。

・オープンシステム補償制度の内容は?
補償制度の内容
補償範囲には工事中、引渡し後を通じ3種類の制度で大切な建物を守ります。

①工事中
・工事期間中に、不測かつ突発的な事故が発生し、建設中の目的物や工事用の仮設物に損害が生じた場合、復旧の補償。
・作業員の現場での事故に対する補償
・設計上のミスによる事故や欠陥に対する補償
・建設マネージメントミスによる不具合に対する補償
・お客様の現場見学中の事故に対する補償
・通行人や近隣など第三者への事故に対する補償

②引渡し後(工事業者が倒産しても継続します)
・建物引渡し後2年間において、工事ミスによって事故が生じた場合の補償
・建物引渡し後10年間において工事ミスにより第三者の身体や財物に損害を与えた場合の補償
・建物の引き渡し後10年間において、建物の主要構造部と雨水浸入の防止部分の工事ミスによって他業者の仕事部分に被害が生じた場合の補償

③設計会員の死亡による引継ぎ費用に対する補償
・工事期間中および建物引き渡し後10年間の間に設計会員が死亡した場合、お客様にその経済的負担が無いよう設計会員の引継ぎに関わる費用を補償。

これらの保険により、オープンシステムの仕組みはより安全なものとなりました。
オープンシステム建物登録制度:株式会社イエヒト(オープンシステムを運営する会社)にはより詳しい保険について書かれていますので、建物登録制度について一読しておかれることをおすすめします。

・住宅瑕疵担保履行法について
住宅の新築は、分離発注も同法の適用を受けることができます。

・住宅瑕疵保険の優先払い
住宅瑕疵担保履行法対象物件は、住宅瑕疵保険からの支払いを優先します。
(二重の補償は受けられません。)

・保険を適応した実例
【当社で保険を使った例①:洗面所の鏡が落下して破損】
洗面所の鏡を取り付けた時、その鏡が落ちて、下の洗面ボールも割れてしまいました。当然その鏡を付けた業者がその鏡の費用を持ち、再度取り付けました。そして割れた洗面ボールの費用と洗面ボールを取り付ける設備業者の費用は保険を適用し、補償されました。

【当社で保険を使った例②:配管が水漏れ、しかし施工業者が倒産したケース】
キッチンの配管から水漏れが起こり、配管を行った設備業者と連絡を取ったところ、その業者が倒産をしていました。保険を適用し、業者が倒産していることを証明すると弁済金が支払われ、別の設備業者に修繕を依頼し問題解決できました。

・保険が適応しない例
保険には必ず免責事項があります。地震や洪水、火山の噴火、降雪などの天災は保険が効きません。

シロアリ、キクイムシ、カビ、菌類、動物などによる損害も保険が効きません。
その他、劣化、磨耗、消耗、腐食、退色、化学物質による汚染、核汚染、材料の特性による変形・割れ等の経年変化も保険が効きません。

これらはどの保険会社も共通で、どうしょうもない部分です。
地盤につきましては、現在イエヒトの方でオプションメニューの準備がされており、近々利用が可能となります。

地震による損害につきましては、お引渡し後に加入できる地震保険を、工事中にさかのぼって保険加入することができます。但し、地震保険は、保険金額の50%が支払い保険金額の上限となります。

製品の瑕疵については、製造メーカーによる補償になります。

≪検査保証制度について≫
オープンシステム建物登録制度に登録した建物は、日本建物検査株式会社(以下NTK)が指定する検査項目に従って、監理者が検査を行い、監理者は専用webに用意されたフォームで検査報告しなければなりません。

検査の内容は品確法に沿った主要構造部と雨水浸入を防止する部分で、木造2階建ての建物で12回の検査報告を必要とします。

NTKは、その報告をチェックして、問題があれば指摘・是正させ、問題が無ければ承認します。全ての検査を承認した建物に、完成後から10年にわたり、施工ミスによる事故があった場合、NTKは規定する範囲で検査ミスによる弁済金を支払うことにしています。

 

従来の方法との比較

いったい何が違うのか?

建築の発注には2種類の方法があります。
一つは『一括請負方式』という一業者に建築工事の全てを任せる方法で日本の建築業界においては、ほとんどがこの一括発注・一括請負型の工事です。
ハウスメーカーや工務店で家を建てる場合もこちらになります。

もう一つは『分離発注方式』という、実際に工事を行う大工や左官といった業者と建築主が個別にそれぞれの工事業者と契約を交わし、家を建てる方法です。
工事の流れがわかっている大工や工事関係者が自宅を建てる時、行っている方法です。
オープンシステムはこの分離発注方式の建築をサポートするシステムです。

・従来の建築方式:一括請負方式について
一括請負の場合
一括請負方式では工事を請け負った業者は自社で工事を行うわけではなく各業者に工事を発注します。
ハウスメーカーなどでは契約した仕事をそのまま工務店に出し、下請け(地方提携工務店)が大工、左官などの専門業者に仕事を出すという形が多いようです。
その時に実際にかかった価格に経費と利益が上乗せされていきます。

下請け・孫請けなどたくさんの会社を経由するほど見えないところで工事原価に中間経費が上乗せされ建築費が上がっていきお客様の負担が増えます。

・ウイズダムデザインの建築方式:分離発注方式(オープンシステム)について
分離発注の場合
従来の分離発注方式では工事中に事故が起きた場合に責任の所在が不明確な場合もありました。
一括請負の場合は一括で請け負った会社が工事について全ての責任を負っています。

この点に関してはオープンシステムの場合、保険サービスを利用する事により万が一事故が発生しても保険により補償される体制が整っているので安心です。

 

分離発注と一括請負の各項目比較表

『一括請負方式』と『分離発注方式』との比較
オープンシステム
分離発注
ハウスメーカー・工務店
一括請負
価格の透明性

設計

施工期間

管理と監理

契約と工事費支払いの手間

事故補償


価格の透明性:価格をオープンにできるということは、価格に自信があるということが言えると思います。

 

見積もりってこんなに差が出るの!

オープンシステムで建てると何にいくら掛かるかわかります

建築の世界の価格というのは、建築業者にでさえ、本当にわかりづらいものになっています。
家を建てるというだけでも約20種程の専門業者が入ります。

業者によって経費率はバラバラです。中間に業者が介在することで料金が上がりますし、仕入れルートの違いだけでも最終的な見積り金額が変わってきます。
今の建築業界では一般的な慣例ですが、それは一建築主という立場になったとき納得できる内容でしょうか。

下記は同じ設計、同じ仕様で実際に取った見積もり例です。
お客様が会社を経営されていて競争見積もりをとることに慣れておられ、知り合いの業者さんもいるので相見積もりを取って欲しいと言われたことや、工事現場が遠方であったため、紹介してもらった初めての業者から見積もりをとりました。

実際の見積もり
業者種類 新規で見積もりをした業者 よく当事務所で依頼する業者
左官(塗り壁) 1,048,950 353,600
サッシ 1,410,000 1,250,000
木製建具 2,173,500 803,250
断熱 650,000 504,000
コルクタイル 144,900 80,000
電気 1,438,500 995,610
給排水 1,669,500 934,500
基礎 1,732,500 913,500
※サッシと基礎についてはお客様から推薦頂いた会社の見積もり
サッシでは別にもう一社見積りを取りましたが¥2,520,000―で受注した業者の2倍でした。

結局予想より高かったので、いつも当事務所の工事を行っている業者に「遠方だが行ってもらえますか」と尋ねると、快く「行かせてもらいます」と遠方にもかかわらず皆さん行って工事を行ってくれました。

初めて見積もりを出す業者はリスクを多めにみるので高くなりがちな傾向がありますが、これだけ差があると『建築費の適正価格』というのはいくらなのかと首を傾げたくなってきます。

お客様も上記の見積もりをご覧になり、ご自身の推薦された業者より安かったため、そちらの業者さんでお願いしますと、納得し発注されました。

たくさんの業種が入らなくては家は建ちません。仕入れのルートや技術面のこともあり、業者によって金額を一律にすることが難しい建築界の現状です。

価格がオープンになっても建築の標準的な価格はわからないからあまり意味がないと言われる方もおられますが、値段が個別に分かれば適正価格なのか見積もりの比較ははできます。

『一式』と言う表現で比べることができないようにしている見積もりや、その会社の標準仕様をお客さまが変更した場合の増減のみしか書かれていないような見積もりもあり、真面目に開示している我々には「これでいいの?」と思えてしまう見積もりもあります。

これまでは工務店の見積もりは自社の経費を見積もりの各項目に薄く乗せて正確にはわからないようにすることが慣例でした。しかし最近では透明性の観点から、これらをはっきり表示する工務店もでてきているそうです。


・業者の事情で決まる請負金額
業者によって建築物の規模も違えば、技量も大きく差があります。
大工といっても迎賓館を建てるような大工から、1週間講習を受けただけでカンナもノコギリも扱えないような人が大工といって家を組み立てています。

もちろん技量によって金額は変わりますが、それ以外に元請け・下請け・孫請けなど、家の建築の良し悪しとは全く関係ないことで決まってくることもあります。

・仕入れ先によって異なる仕入れ値
業者が建材を入れるルートもバラバラで何業者も通って購入していたり、また購入できるランク付けがあったり、ネットの方が業者が手に入れる金額より安い場合もあります。

・一番無駄な元請けの丸投げによる支払いのケース
実際仕事をする業者が下請け、孫請け、ひ孫請けなどということもあります。

請け負った業者が仕事をしていなくても、それぞれの会社が利益を乗せて見積もりをあげてきます。

・経費が会社によって違いすぎる
経費やリスク費もバラバラです。

宣伝、営業費、モデルハウス、接待費などを、多額の経費として建築費に乗せて『一式』という表現で見積もりに書き、建築費としているところもあります。過剰な営業費は建築主にとって無駄な経費だと思うのですが、テレビでも宣伝しているような有名なところが安心という価値観は蔓延していますので成り立っている手法なのでしょう。

・実際に見積もりを取ってこんなに差が出ました
実際に以前5000万円程で建った建物の競争見積もりを、工務店6社に取ったところ、上は8000万円台の見積もりで、約3000万円の開きが出ました。家がもう一軒建ってしまうほどの金額差です。

よく設備機器のチラシなどに「キャンペーンで50パーセントOFF!」などと書かれていますが、オープンシステムで直接購入される場合(機種にもよりますが)75パーセントOFFなどという場合もあります。

このような事は設計事務所でも、オープンシステムを採用し、実際の工事をする業者から、直接見積もりを取り始めて工事原価がどのようなものかわかってきた次第です。

ハウスメーカーのようなテレビやネットやチラシや雑誌などのコマーシャル、楽しそうなイベントおみやげ、立派なモデルハウスやカタログ、接客を訓練された営業マン・・・などの営業をオープンシステムを行っている設計事務所はほとんどしませんので、これらに掛けられているは多額の経費をお客様の建築費に乗ることはありません。

建築の業務は設計士が設計から工事の工程管理までほとんど一人でこなすので経費が最少で済みます。お客様が実際工事をする各業者と(住宅の場合、大工、基礎、サッシ、建具、等約20社)と直接契約できますから、不透明な経費が乗せられることもなく、価格が開示されます。

 

『リスク調整費』について

『リスク調整費』ってどんな費用?


直接契約・直接購入などで価格が全て開示されるオープンシステムでは、見積もりに『リスク調整費』という項目を設けています。家を建てる場合にはどうしてもリスク(近隣との調整、悪天候など思いがけない事態)が発生する場合があります。ウイズダムデザインではそれを『リスク調整費』として予算に組み込み、いったんお金を預かりますが、何にいくら必要であったかをお知らせし、使わなかった金額は全てお返しします。
ハウスメーカーや工務店では、実際工事をする業者との契約金額は開示されず、実際の建材費や工賃にリスク調整費、経費、利益なども合算した見積もりが提出されます。リスクの予算は入っていますが、使われなくても返還されることはありません。

 

なぜオープンシステムが広まらないのか

仕事の領域が一挙に広がるオープンシステム

滋賀県にかかわらず、オープンシステムを採用し、家を建てている設計事務所は全国で200社ぐらいで推移し、あまり増えていないのが現状です。

オープンシステムを採用するということは
・設計事務所の仕事以外に
・工務店の仕事(見積もりを取る、工事の工程を管理するなど)
・オープンシステム独自の仕事が増えることになります。

従来設計事務所が工務店にお任せであった仕事まですることになりますので、一軒の家に対する仕事の領域がかなり広がり、今まで設計業務のみをしていた者にとっては、新たに一から学び直さないといけないことが大変多くあります。

例えば、意外に思われる方も多いと思いますが、一般の設計事務所は計画段階では建築費がいくらになるのかおおよその金額でしか知りません。工務店の見積もりが出てくるまでわからない状態です。
以前にある方が「設計事務所に依頼して模型までできて楽しみにいていたら、工務店の見積もりが出て予算のほぼ2倍かかると言われ大変腹が立った」という話をされていました。
最近、公の建物で計画段階での見積もり金額と、実際に建設会社が出してくる金額に大きな差が生じ、ニュースなどでも問題になっていますね。
メリット①;オープンシステムを採用するようになって建材の実際の単価や工賃がわかるようになり、予算が厳しい場合、優先順位や代替案を検討するのに「これを変えればここにもっと予算をまわせる」などの実際の金額を押さえた提案ががスムーズにでき、建築予算をご要望に沿ってより活かし易くなりました。
従来工務店の仕事である「各専門工事業者から見積もりを取る」という作業もオープンシステムでは設計士が新たに取り組む作業です。
相見積もりを取り、お客様が契約されるのを設計士がサポートするためには信頼できる業者がたくさん(普通の家で約20種の業種が入ります)必要です。前述のとおり一般の設計事務所は(工務店が間に入りますので)実際工事をする各専門工事業者を知りません。近くのオープンシステムの会員や業者仲間から紹介を受けることはできますが、価格・技術・人間性など信頼関係は一から設計士が自分で築いていく必要があります。

メリット②;オープンシステムの場合、設計士が工事工程の管理をするため頻繁に現場に足を運ぶことになりますので、その度に工事をしている各業種の職人さんと出会い話すことができます。設計の意図を伝え易く、机上で考えた設計書通りにできているかのチェック(従来の設計事務所の監理)だけでなく、現場で実際の納まりを職人さんと知恵を出し合い決定した方が良いことも多くあります。
設計士が実際工事をする業者と直接話ができるこのシステムは、価格面だけでなく提案においても建築時においても大きなメリットがあると実感しています。しかしオープンシステムを検討している設計士にとって今までしたことがない事をするのは、大なり小なりハードルであることも事実です。

・オープンシステムの仕事内容

<本来の設計事務所の仕事>
設計事務所で家を建てる場合たいていはフルオーダーですから、一邸ごとに異なる注文住宅の設計、構造、法規制、役所への提出書類、建材、デザインなど(ハウスメーカーなどに比べ)決めるべきことが沢山あります。

デザインや建材の決定は用途やご要望に応じて一から考え設計していきます。
模型を作って確認していただきます。
第三者の立場で工事監理を行います(普通の設計事務所の『監理』に比べ、工程管理に頻繁に現場に行くので細かい所まで目が届きます)。

<工務店の業務も設計士が行います>
見積もりの取りまとめ、予算調整、発注、現場工程管理、現場での構造上の納まりを考えるなどの作業があります。

<オープンシステム独自の仕事>
1.全て価格開示で、契約書を作りお客様が業者1社ずつと契約していただけるよう手配します。
2.オープンシステムでの保険などの手続きをします。
3.お客様がいつどれくらいの金額が必要か各業者へのお支払い予定一覧表を作ります。
4.毎月の業者からの請求を査定後、お客様へ請求書を送付します。
5.お客様に工事の進捗状況を現場監理報告メールで送ります。

・オープンシステムを採用するなら、今まで工務店や不動産会社から仕事をもらっていた事務所は厳しい立場になる
自力で設計の仕事が取れていた設計事務所なら、仕事の領域が広がることもオープンシステムのメリットが多いことを考えればなんとかできるでしょうが、今まで工務店や不動産会社と提携していたり、下請け関係で設計事務所を営んできたところは、家を建てるという業務がかぶるオープンシステムを採用することは、今までの関係のところから仕事が回ってくることはほぼ無くなることを意味するので、厳しい立場になることは覚悟しなければなりません。

・オープンシステムにしたからといって仕事が沢山くるわけではない
オープンシステムを採用すれば、自然に仕事が来るというわけではないので、他の工務店同様、ホームページを開設したり、見学会を開いたりして、ここに依頼すればどんな家が建つということを知っていただけるようアピールをしなければなりません。

たいていの設計士は技術畑出身で、「家は設計できても、どのように営業したら良いかわからない」という点もネックになっているようです。

趣旨に賛同して会員になる設計士は多くても広がらないのは、下請けで仕事を回してもらって設計をしているほうが、面白味が無くても無難であるという人も、残念ながら多いのも事実です。営業と設計は分野が違いますから仕方がないことかもしれません。(逆にマーケティングが専門であったり、宣伝や営業がすごくうまく受注件数を伸ばしているところも世の中にはありますが、「建物はこれ??」ということも結構あり、それも大変気になります。)

・お客様に「頼んで良かった」と言っていただけるのが原動力
フルオーダーの家をオープンシステムで仕事を請けるのは仕事量が多く、年間にたくさんの家を建てることはできません。設計の段階からお引渡しまで普通で1年はかかっています。
『手前味噌』になり大変恐縮ですが、「家を建てるのが好き。儲からなくても、こんな家を設計したい!」という強い思いがなければ続けることは困難なようです。

一邸一邸心を込めて引き渡した家に住んでいただいて「ウイズダムさんに頼んで本当に良かった」、「この家は本当に快適だ。」と言っていただけると建築家冥利に尽きます。そしてこのようなお客様の言葉が「また次の家も頑張ろう!」という原動力になっています。

 

工事業者の方の声
実際に工事をしている工事業者の方たちにインタビュー

プレカット会社の近藤さん

知識と経験が必要な仕事がウイズダムさんの仕事

<!-interdiv->

大工の寺坂さん

自分の持てる技術を出し切れる仕事

<!-interdiv->

大工の谷本さん

樹齢80年以上の国産無垢材を使える家作り

<!-interdiv->

 

オープンシステムのデメリット

オープンシステムのデメリットは、実際に工事をする各業者と一社ずつ契約し、お支払いをしていただかなければなります。
ほぼ毎月支払いが発生し、工事の終わりの頃には支払う業者が多くなります。
直接契約により安くなるのですが、その分手間は増えます。


ハウスメーカーのように契約のハンコを押すとほとんど全て自動に事が進むというシステムにはなっていません。「これで良いですか」という確認をして次の工程に進んでいきます。
プロに任せた方が良いとお任せにされる方もおられます。ほとんどの方は「選べる」となるとこだわられる方も多く「楽しかったけれど大変だった」と言われる方もおられます。

またフルオーダーのため決めていくことが多いので(平均で基本設計が固まるまでに約2~3か月10回程度)、関わりがハウスメーカーなどに比べると多くなります。

オープンシステムでは一人の設計士が大きく係わってきますので、設計士の力量やセンスが大きく家に出てきます。
ホームページや見学会などに行って実際によく確かめる必要があります。
ウイズダムデザインではワンプランは無料ですので、その期間にこの建築家となら好みの家が建ちそうとか、上手くやっていけそうかどうかなど、いろいろ話し合ってから決めて下さると良いと思います。