滋賀で木の家、自然素材の注文住宅を建てています。

【断熱見学会ご案内】10/9(土)・10(日)『人に優しい家は、地球に優しい』

前回構造見学会の「人に優しい家は、地球に優しい」の家にて『断熱見学会』を開催させていただきます。

2021年10/9(土)・10日(日)10:00~17:00

コロナウィルス拡散防止のため10:00から1時間ごとに区切らせていただき、1時間に1組様限定とさせていただきます。
時節柄マスクのご着用をお願いいたします。

お手数をおかけしますが、ご予約下さい。ご予約時間が重なった場合は、時間調整相談の連絡をさせていただきます。

ホームページの資料請求ページからご予約下さる場合は『お問合せ内容』の欄にご希望の時間帯
などをお書き下さい。

☎ 077-566-0779
✉wisdom-d@ap.main.jp

当日連絡先080-4722-3509(上原)

 

依頼主のお客様が、初めてウイズダムデザインを訪れてくださったのは、断熱見学会でした。大変、断熱に詳しい知識と関心をお持ちで、納得できる工務店を探して回っているとおっしゃってました。

断熱以外に求められていたのは、有害化学物質を揮発しない自然素材の建材を使うことでした。また、現在お住まいのマンションは鉄筋コンクリートで結露がひどいことなども悩まれていました。お話を伺うに連れ、自然素材にこだわった健康的な家づくりの点でも、この方となら面白い家創りができるんじゃないかという予感がしました。

今回の見学会の家は、UA値0.4
屋根断熱、基礎内断熱で床下エアコン(夏)・小屋裏エアコン(冬)1台のエアコン稼働で全館空調を目指します。

 

屋根断熱にこだわるメリット

今回の見学会の家の屋根断熱は、外断熱、 通気工法(湿気を抜く)、 2層の断熱材ウッドファイバー22cm厚天井断熱材セルロースファイバー15cm厚(充填断熱)、 遮熱シート、 2層の通気層、 を採用します。

メリットは、

・夏、2階も暑くなく過ごせること

・夏、内外の温度差による結露の発生を抑え、構造内部が痛みにくくし、家を長持ちさせること(最近、酷暑でエアコンを付けっぱなしの暮らしを強いられる日が多くなっています)

・天井を高く取れ、快適で有効活用できるロフトがとれること(この家では、一部ロフトと2階を逆転させています)

工事のプロセスを追って説明しますのでご覧下さい。


杉無垢材の構造パネル(無垢ボード)を張っています。

 


ボードのジョイントに気密テープを貼っています。

 


通気防水(つうきぼうすい)シートを張っています。

 


断熱材ウッドファイバーの1層目を横向きに設置しています。

ウッドファイバーは断熱性はもとより、熱緩和・防音・難燃性・調湿機能など木でなければ持ち得ない特性に加え、生産に必要とするエネルギーが他の建材に比べて極端に小さく、生産や廃棄の過程で廃棄物の発生もない等、住む人や作る人そして環境に優しいエコ建材


母屋(もや)の間に横向きに隙間無く設置していきます。

お客様に初めてお出会いした時に、お客様からこの断熱材の話が出て、マニアックな建材までご存じなので驚きました。

 


垂木(たるき)を掛け、2層目のウッドファイバーを設置できるようにしています。

 


2層目のウッドファイバーを縦向きに設置し、できる限り断熱欠損を防ぐようにしています。

 


垂木に複層遮熱シート(2重のアルミの間に緩衝材のプチプチのような物がはさまっています)を留め付けています。遠赤外線による輻射熱も遮断します。 夏場は強い日差しを防いで室内の温度上昇を防ぎ、冷房効率を高めます。 また、冬場は、室内の熱の放出を防ぎ、暖かく保つ断熱効果があります。(防災グッズなどに体温が奪われない覆うアルミのようなシートがありますが、同じ様な原理です)遮熱シートの下は1層目に通気層をとっています。

輻射熱は遮熱材で減らし、対流による熱は熱容量の高いウッドファイバー&セルロースファイバーで熱移動を起こしにくくするので、室内の断熱性は向上します。(遮熱シートはUA値の計算値には入りませんが遮熱の有効性が高い建材です)

見学会で実験を行いますのでご体感ください。


大工さんが軒の垂木を切っています。軒の出し方は、冬至と夏至の太陽高度の高さで決めています。夏の日差しは遮って、冬の日だまりを取り込める、自然の恵みを活用できる家となります。


 


2層目の通気層をとるため、さらに上から桟木(さんぎ)を留めています。

 


軒の部分に無垢ボードを張り付けています。

 


 

 


野地板(のじいた、屋根の下地)に耐水合板を乗せています。野地板と垂木の間に2層目の通気層があります。

 


屋根の頂部は、棟換気(むねかんき)ができる構造になっています。

 


通気防水シートを軒先の方から張っています。

 


一般的な家では通気しない防水シートが張られますが、最近は屋根の裏面の結露で、野地板の腐りの発生が多く報告がされているので、それを防ぐため通気防水シートを採用しています。

 


ガルバリウム鋼板の屋根に棟換気の下地を作り、ここから熱と湿気を抜きます。

 


棟換気部分は、換気部材のリッチベンツを挟みガルバで覆います。

 


棟換気の完成写真です。

 


雪止めを取り付けました。

 

壁断熱

この家の『壁の断熱』は、10月7日の予定です。見学会にはご覧いただけます。施工次第写真をUPさせていただきます。

壁面の断熱材は自然素材のセルロースファイバー標準仕様としています。


断熱材セルロースファイバーの特性
1.健康に暮らせる家(シックハウスの心配の無い建材)


木質繊維断熱材で、VOC※フリーの建材として安心して使えます。それだけでなく、木を電子顕微鏡でみると「多孔性」で、膨大な比表面積をもち、そこに空気中(家具や電化製品からも放出されている)に含まれる有害なVOCを吸着できます。また消臭効果ももたらします。
(※VOCとは揮発性有機化合物のことで100種類以上もあり,中には発がん性など人体に有害な影響を及ぼすものも多く,シックハウス症候群の原因物質としても知られています。)

2.熱容量(温まりにくさ)が高い断熱材

木質繊維断熱材は、高い熱容量があります。繊維を構成する細胞は「細孔構造」のため細孔に取り込まれた空気の分子(水蒸気も含めて)は、“動きにくい”ので(熱は対流・伝導・輻射によって移動。最もエネルギー移動が大きいのは対流)対流しにくいということは、断熱材の中に取り込まれた空気が熱移動を起こさない、即ち断熱性が向上することになります。

熱伝導率は、セルロースファイバー55Kは0.04W/mKで、高性能グラスウール16K相当は0.038W/mKとわずかに高性能グラスウールの方が良いのですが、当社で行った熱照射実験でも下記のデータ結果では30分で約19℃差が出ました。これは「木」と「ガラス」の材質による違い、熱容量(比熱と密度による)の違いによるものと考えられています。



 

3.高い調湿機能(カビや腐朽菌を増殖しにくい建材)

木の繊維独特の大きな水蒸気吸収効果は、優れた調湿機能を示します。例えば、木質繊維断熱材を20㎥ 使用した住宅の場合、断熱材に136 L もの水蒸気量を吸収できると言われています。この量は、1人1日当りの水蒸気発生量(10 L)の10倍以上、即ち10日間分に相当します。一方グラスウールなど鉱物質繊維の断熱材(密度24 kg/㎥)では、同じ20㎥を使用したとして、9.6 L の水蒸気量、約1日分しか吸収できないことになります。

壁内の湿度が上がった時、断熱材が湿気を吸放収するので、内部結露を軽減し、家を長持ちさせる効果もあります。ウイズダムデザインの標準仕様では家の外周に12cm の厚さでセルロースファイバーで吹き込み充填断熱(施工密度55±5kg/㎡)します。この時、隅々にまで隙間なく入れられることもこの断熱材の特徴です。それにより断熱欠損を防ぐことができます(断熱欠損は結露の原因になり、それが家の傷みの原因になります)。

室内の内装に標準としている調湿機能の高い杉や塗り壁は、室内の水蒸気が多いと吸収し、乾燥すると放出するので、冬場の乾燥や結露を緩和する働きがあります。(株式会社ナガイホームページより引用)

 

また優れた防音効果も有ります。見学会で実験を行いますのでご体感ください。

 

可変調湿気密シート(インテロ)で壁内結露の軽減

『可変調湿気密シート』で壁内結露を軽減します。壁内部で結露が発生すると、カビが発生したり、柱や土台が腐ったりして、建物に大きなダメージを与える可能性があります。


写真は可変調湿気密シートインテロ

可変調湿気密シートはセルロースファイバーの室内側に張ります。
冬は外が寒く乾燥状態になり、部屋の内側は暖かく湿気の多い状態になります。湿気は(高い方から低い方に流れますので)部屋から壁や断熱材の中に入り込んでいこうとし、外側の冷たい空気に触れ結露をおこします。可変調湿気密シートは壁の内部に湿気を通さず「防湿します。
夏は逆に外が高温多湿状態で(最近は亜熱帯化していると言われています)、水蒸気を含んだ暖かい空気が建物に侵入し、居室のエアコンで冷やされた空気は壁内部で結露します。可変調湿気密シートは壁内部の湿気を通し「透湿」し、水蒸気が溜まらない状態にします。(防湿シートで夏の湿気を停めてしまうと室内側の冷えた壁内部で結露水が溜まってしまいます)

 

 

壁面断熱と工事工程


見学会で実物大模型で説明させて頂きます。

 

 

基礎内断熱と屋根断熱

(前回の断熱見学会の案内ページの内容を元に加筆した内容になっています。)

基礎断熱で床が冷たくない

基礎の外周で気密と断熱を施し、床下を室内と同じ環境にする方法です。


メリットは室内の気密性能の向上地熱の有効活用などです。地熱は年間を通して温度があまり変化せず、夏は外気よりも低く、冬は外気より高いため 冷暖房の削減ができます。

また、冬の冷気を建物内部に取込まない為、安定した暖かい室内環境を実現できます。
床下には基礎コンクリートから湿気が上がってくるため、空気の通り道がない状態では湿気の逃げ場がなくなり、やがて床組が腐食するといった問題が発生しますが、床にガラリや、湿気が抜ける通り道を設け、室内と一体化(湿気は高い方から低い方に移動します)させることにより、問題を解決しています(またこの家では床下エアコンを採用します)。

 

一般的な家では床の下に断熱材を張る『床下断熱』です。


冷気が床下を通り、床下を断熱していても床が冷え易いです。夏場、建物の下は地熱の影響もあり涼しいですが、外部から高温多湿な空気が流れ込むので湿気やすく、結露し易い状態でもあります。

 

4.屋根断熱で快適な小屋裏(ロフト)も活用できる!

今回の家では、一部2階とロフトを逆転し、ご主人の趣味のバーチャルサイクリングで楽しみながら体を鍛える部屋(2階)をロフト(階高140cm)の上に設計しています。暑くない2階だからできる活用法です。

屋根でしっかり『断熱+遮熱』をするので、ロフトも快適。とっておきの隠れ家もできます!


屋根断熱で勾配天井なので、高い天井でロフト(小屋裏)も有効活用できるスペースになります。(一般的な家では『天井断熱』で、天井の上に断熱材を置いて断熱します。天井断熱をしている屋根裏は、屋根からの熱が伝わり、真夏であれば温度は60℃近くにもなります。屋根裏は天井で仕切られ、ロフトを造っても、有効利用しにくくなります。)

左はロフト(小屋裏)、右は2階リビング空間を最大限に利用できる

2階リビングなら家族の気配も感じられるロフト(小屋裏)

いろんな用途に活用できるロフト(小屋裏)

とっておきの隠れ家にもなるロフト(小屋裏)

見学会で実物大模型で説明させて頂きます。

 

5.『基礎断熱』&『屋根断熱』で1台のエアコンの稼働で全館空調!

高い断熱・気密性能、屋根断熱、基礎内断熱、スクエア型の形状なので、1台のエアコン稼働で全館空調できます。


家の中の温度差が少なく快適だと活動量も増えヒートショックなどは軽減され健康をアシストすることができます。(床下エアコン暖房は室内の温度より少し暖かい程度です。床暖房の場合は、足はとても暖かいですが、室内との温度差が大きいと、体温の調節が難しくなり、自律神経のバランスを崩すといった症例が挙げられています。)
『床下エアコン暖房』は、自然な暖かさで体にやさしいと言えます。

夏は小屋裏エアコン冷房で、ロフトから涼しく(冷たい空気は下に移動します)全館空調ができます。

設備が古くなり取り替える時もエアコンの交換だけで済み、メンテの手間も費用も少なくて済み、低コストで省エネにもつながります。

(ダクトを使ってで全館空調するシステムは、ダクトの掃除の問題、フィルター交換、ダクトのスペース、設備交換時期が来た時の費用と手間などのことを考えておく必要があります。)

 

6.この家の換気システムは第3種換気

換気システム導入は義務化された第一の理由は、シックハウス対策です。ウイズダムデザインの標準仕様の建材はシックハウスの心配のない自然素材です。杉は家具などから出る有害化学物質も、人の呼吸により排出される二酸化炭素も吸収し、減らしてくれるというデータもあります。標準仕様は第3種換気にし(ご要望により第1種換気のご家庭もあります)、効果的に換気できるよう気密性能の高い家にしています。(気密性の低い家は掃除機のホースに穴が開いているような状態で、効果的な換気をすることができません。)

熱交換器を使って行う第1種換気システムは、システム導入の掛かる費用、ランニングコスト、設備交換(古くなった時)にかかる費用、ダクトを使用するタイプならそのスペースと掃除のことなどを考えるとあまりコストパフォーマンスが良くないと考えています。

ハイブリッド断熱

1.自然素材の断熱材セルロースファイバー&内装に断熱効果のある無垢材(標準は杉)

近年急速に増加している、花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の原因として、種々の化学物質による加工をした建材や壁紙、塗料、接着剤、インテリア製品、家電製品の使用が考えられています。そして住環境の密閉化などによるダニに関連するアレルゲンの増加の一因と考えられています。実態調査では化学物質に強い過敏症状を示した人が4.4%、中程度の不耐性を示す人は7.7%で国内人口に合わせて換算すると1200万人を超えると言われています(近畿大学東賢一准教授らの実態調査)。


有害な化学物質は、どこで大量に吸い込むことになるかわからず、体内に蓄積される化学物質の総負荷量が個々の許容量を超えると、その後あらゆる微量の化学物質に対しても反応して多用な症状が出てき、症状の重い方は普通に生活するのも困難になります。
最も長い時間を過ごす家の中は、できるだけ化学物質の総量を減らすことのできる建材を使いたいと考えています。