滋賀で木の家、自然素材の注文住宅を建てています。

【構造見学会ご案内】3/21(祝・月)『断熱×耐震×長持ちする自然素材・国産無垢材の家』

こんにちは。少し暖かくなり、春の訪れを感じるようになりましたが、最近のニュースは、ウクライナ情勢にコロナに地球温暖化と気の重くなる話題が多く流れています。

このような時代の中、どういった家が必要なのかをより模索し、提案を続けていきたいと考えています。

今回見学会を開催させていただく家も、地震に強く、省エネルギーで快適に住め、自然素材を使った体と地球に優しい、次世代の人たちも住み続けられる家です。

 

棟の様子


 

今回は構造見学会です。(工事の進捗に合わせ断熱見学会、完成見学会も行う予定です)

構造見学会の見所を解説

◆国産無垢材のワンランク上の構造材を使う理由 ◆長いホゾの意味 ◆耐震等級3(許容応力度計算済み)の構造とは ◆長く住める家のための基礎 基礎内断熱(床下エアコン)を考えた基礎

2022/3/21(祝・月)10:00~17:00

コロナウィルス拡散防止のため10:00から1時間ごとに区切らせていただき、1時間に1組様限定とさせていただきます。
時節柄マスクのご着用をお願いいたします。

お手数をおかけしますが、ご予約下さい。場所など詳細をお知らせいたします。ご予約時間が重なった場合は、時間調整相談の連絡をさせていただきます。

ホームページの資料請求ページからご予約下さる場合は『お問合せ内容』の欄にご希望の時間帯などをお書き下さい。

☎ 077-566-0779
✉wisdom-d@ap.main.jp

当日連絡先080-4722-3509(上原)

建ってしまうとほとんど見えなくなる部分ですが、家の最も大切なところです。しつこい営業などはいたしません。是非お気軽にお越し下さい。

 

今までの経過写真と共に紹介させていただきます。

◆国産無垢材のワンランク上の構造材を使う理由

南海トラフ大地震やそれに伴う活断層、液状化(特に琵琶湖周辺)による被害が想定され、また地球の温暖化の影響で災害が大型化しています。基礎や構造は建ってしまうと見えず、よほど興味を持たないとわかりにくい部分ですが、「災害に強い家」はこれからの時代必須であると考えています。ウイズダムデザインでは標準仕様で、耐震等級3(最高等級)を超える性能を提案しています。1棟毎構造計算『許容応力度計算』をしています。

 

『通し柱は15cm角の檜材』

木造軸組工法などで、一本で土台から軒まで通っている柱で、通常は建物の四隅など構造上重要な位置に使われる柱です。通し柱は1階と2階を構造的に一体化し、建物の耐震性や耐久性を高める役割を果たす重要な柱です。今回の家では大黒柱に18cm角を使っています。


 

通し柱はおもに外周に立てられ、胴差(どうざし)が通し柱の側面に突き刺さるような形で固定されます。(柱の位置によっては)3方向や4方向から差し込まれる柱もあり、柱は胴差しで切り欠かれるので、細い柱では残りが少ししかなく強い揺れがきた場合折れてしまうこともあります。(一般的な家は12㎝角が多いです)

『管柱(くだばしら)は12㎝角』を使っています。(一般的な家は10.5㎝角が多いです)

 

『構造材は国産無垢材』

今、日本の人工樹林の多くは伐採期を迎えた十分に育った杉や檜がたくさんあります。それらを使うことで日本の林業が成り立ち、山に手が入れられ、木を伐ったところに若木を植林することができます。木は光合成をしCO2を吸収してくれます。木は製材され家の建材となっても吸収したCO2をそのまま固定してくれるので、伐って長く使い、山に若木を育てることはCO2の削減につながり、地球温暖化防止に一役買うことになります。木は伐って使っても植林して育てることのできる再生可能な資源です(石油や石炭などの使うと枯渇する化石燃料とは違います)。また成長してしっかり根を張った木は、山の土砂崩れを防ぐ役割も果たしてくれます。国産材を使うことにより日本の山にお金がまわり、山の手入れや植林をすることができると森林が健全に保たれ、多用な生物の住処となり、山から流れ出る水は滋養に富み、川や海の生き物も養われ自然が守られます。国産材を使うことは山を育てながら、日本の山や自然環境を護り、CO2の削減に役立ちます。

長持ちすることをきちんと考えた無垢材の家は手入れをしながら長く使うことができます。地球への負荷がなるべく少ないよう、使い捨て住宅ではなく、世代を超えて100年は住み継げる家を建てると、50年住んでも、あと50年住むことができ、次世代に譲ることも、貸すことも、売却することもできます。世代を超えて住み継ぐことにより、1世代あたりの住居費負担も少なくなります。

自然素材のエコ建材はリユース・リサイクルできます。家としての使命を終えた建材は形を変えて役に立ち、次世代のための サスティナブルな社会を支えることにつながります。

日本の国土の約7割が森林で、そのうち約4割は人工林です。健全な森林の整備のためには、守り育てるだけでなく、積極的に国産材を利用することが必要になってきました。
 
家を建てるとたくさんの端材が出ます。ウイズダムデザインでは、端材を使った木工教室や、木を使うことはCO2削減の取り組みのつながり、地球温暖化防止に一役買うことになるといったお話しをさせていただいています。また建築現場の前にこのようなボックス(左写真)を設けています。大工さんが端材を入れておかれると、すぐに無くなっています。どなたかが持ち帰って役立てて下さっているようです。
 

『芯持ち材』

「芯」とは木の中心のことです。年輪の中心が芯です(写真の赤身のところが芯です)。原木の芯を含んだ材を「芯持ち材(しんもちざい)」、外した材を「芯去り材」と言います。芯は骨のようなもので、骨が残っている分強く、芯持ち材は日本では古くから構造材には『芯持ち材』が使われてきました。

赤身の芯持ち材を使った構造の家は長持ちします。水に強くて耐久性に優れています。
赤身は一旦乾燥すると、水に強い性質を持っています。また、白身から成長して赤身に変わる時に虫やカビから身を守る成分フィトンチッドが貯えられるので、赤身はカビや腐朽菌に強い特徴があります。
この家では天然乾燥材『三河杉』の梁(粘り強いので、家を支える構造材に最適)を使っています。
杢目と色艶が美しく、また香りがよく、肌触りがよいので癒されます。また調湿性、吸音性、断熱性、紫外線の吸収などの長所があります。


『乾燥方法は天然乾燥』

木の乾燥方法は大きく分けて2つあります。
自然の力を借りて時間をかけて乾かす『天然乾燥』と、人工的に熱や風を与え湿度調整をしながら乾かす『人工乾燥』です。

近年、人工乾燥で多くとられている手法が、温度を80度以上に上げて木を内部までしっかりと乾かす高温乾燥と呼ばれるものです。
含水率を均一にするための最適手法ですが、 木は脂が抜けてしまうため艶が無くなりぱさぱさになります。 香りも変わってしまいます。強度は乾燥することで上がりますが、粘りがなくなり脆く(もろく)なります。

一方の天然乾燥ですが、乾燥までにとにかく時間がかかります。そして乾燥する最中に表面に割れが入り、 曲がったりねじったりするものもあります。木によって乾くスピードも違い、人間の思い通りにはいきません。
しかし天然乾燥は木材にとってはストレスなく伸び伸びと乾燥していくことができるため、 木本来の香りと色合い、そして粘り強さを持っており、住居に使うにはふさわしい乾燥の木です。

長いホゾの意味

阪神大震災では土台からホゾが引き抜け、1階が潰れ、圧死で多くの人命が失われました。それを防ぐため、構造材の土台と梁には9㎝の柱のほぞを差し込んでいます(一般的な家は4.5~6㎝)。金物の補強はもちろん建築基準法通り付けていますが、長い年月の間に何回も地震にも会い、金物が錆びるなどの劣化がおこる場合も想定できます。地震で大きな揺れがきた時、建物が変形しようとしますが、多くのホゾにより、土台と柱をつなぎ止める金物にかかる力を軽減し、家の損傷を少なくします。


 

長いほぞを差し込むため、梁や土台の寸法も大きくなり、大工さんの手間もかかります。

◆耐震等級3(許容応力度計算済み)の構造

許容応力度計算をした構造

より確実で安全・安心いただける耐震性能を得るため許容応力度計算を標準仕様で全棟行っています。

重さに耐えられるか(鉛直荷重)
風力に耐えられるか(風荷重)
地震に耐えられるか(地震荷重)
・構造を支える柱がどれだけ変形するか(層間変形)
壁の配置のバランス(偏芯率)
・各階のバランスによりねじれに耐えれるか(剛性率)
・各部材、接合部に加わる力は大丈夫か(解析)

(許容応力度計算は労力と経験が必要で、実施する住宅会社は少なく、90%以上の木造住宅が許容応力度計算を実施せずに建てられていると言われています)。

 

長持ちする家のための基礎

『水分量の少ないコンクリート』

一般の家に使われるコンクリートより水分量を少なくしています。固まる際の収縮が小さくなりひび割れがしにくくなります。流動性が悪くなる分、一般的なコンクリートよりもバイブレーター(振動機)多くかけます。基礎に気泡の少ないコンクリートが行き渡りより強いコンクリート基礎ができます。

ウイズダムデザインでは、設計基準強度30N/mm2※、水セメント比50%未満の長期耐久用のコンクリートを標準で使用しています。


 


『圧縮強度試験』

基礎打設後28日目のコンクリートで設計基準強度に達しているか圧縮強度試験を行い判定します。コンクリート打設の度、サンプルを取って1週目と4週目に圧縮強度試験を行います。1週目で既に28.8の値が出ています。


またコンクリートの塩分濃度(塩分濃度が高いと鉄筋が錆びやすくなります。)も確認します。

 

『コンクリートの基礎幅を2㎝増し打ち』


基礎幅は15cmが一般的ですが、外側へ2㎝増し打ちし17cmにしています。コンクリートが外気にさらされ、劣化(中性化)するのを遅らせ長持ちするようにしています。

(国土交通省の資料:コンクリート1cm厚さが増すことで酸化が20年防げます。よって2cm外側へ幅広のコンクリートにしていますので、40年は一般の家の基礎よりも長持ちします。一般的にコンクリートの耐用年数が50~60年と言われていますので、ほぼ100年の耐用性を有する基礎と考えています。)

基礎断熱(床下エアコン)を考えた地中梁を用いた基礎

床下エアコンを採用する場合の基礎は、基礎の立ち上がり部分が、床下に流れる暖気の障害とならないよう、基礎の一部を地中につくる地中梁を採用します。

基礎(上の写真)を作るため、地中梁の鉄筋を組んだところです。


基礎内断熱は、基礎と建物を一体化し、気密性能を向上します。シロアリの被害のリスクも軽減されます。

 

『シロアリ処理』


樹種の違う木材の暴露試験の結果、ホワイトウッド・米つが・米松などは短期間でシロアリの食害が著しいと言われています。この家ではヒノキを土台に、構造材に杉の芯持ち材の使用しています(スギの白太部分は被害にあっても、中心部の赤身は食害にあいにくいと言われています)。

ウイズダムデザインでは、健康にも安全なホウ酸による防蟻処理を行っています。人体に安全で、湿気等が無ければ半永久的に効果が持続されます。建築基準法では、地盤から1mまでの部分は、防腐措置が必要とされています。しかし公庫融資や性能表示では、D1樹種を使うことによって、薬剤注入などをしなくても良いことになっています。
しかし、ウイズダムデザインではD1樹種であるヒバかヒノキを土台に、構造材に低温乾燥の杉の芯持ち材の使用を標準として提案し、
その上、ホウ酸(※)による防蟻処理を行っています。

入居後、目視で点検できるよう点検口を設ける、床下の高さを高くするなどの配慮もしています。


シロアリ対策にホウ酸処理(株式会社エコパウダーホームページより引用https://ecopowder.com/column/houso/)

【1】高い安全性

ほう素は、人間などの哺乳動物が必要以上に摂取した場合には、 腎臓の浄化作用で短期間に排せつされます。ほ乳類にとっての急性毒性は食塩と同程度です。 身近な所ではコンタクトの保存液や目薬などにもホウ酸が配合されていたり、キャビアの防腐剤としても用いられたりしています。ほう素の安全性の高さがおわかりいただけると思います。

【2】下等生物に厳しい

一方で、腎臓を持たないあらゆる下等生物の場合には、過剰摂取することで 細胞レベルでエネルギー代謝できなくなって餓死することが分かっています。 代謝という生命の基本プロセスに作用しますので、免疫を獲得することはまずありません。 古くから使われているゴキブリのホウ酸団子が、この性質を利用した一つの代表例と言えるでしょう。


【3】効果が持続

ほう素は揮発や分解によって滅失することがありませんので、効果が目減りしません。 大量の水に接することで徐々に溶脱していきますが、風雨に晒されない用途であれば、半永久的な効果が期待できます。


【4】欧米のスタンダード

環境に優しくほ乳類に安全。確実に害虫等の制御が出来て、効果も持続する。 こういった特性から、欧米では1950年代から今に至るまで、 室内の防虫、建築時の防腐・防蟻にホウ酸塩が広く使われています。特に、温暖湿潤な気候を好むシロアリの被害が深刻化していた米・ハワイ州では 1992年からホウ酸塩防蟻処理が始まり、現在ではシェアのほぼ100%を占め、シロアリ問題は解決しています。

 

ホウ酸について

人間にとっては食塩と同程度の急性毒性であり、体重60kgでは約300gで半数致死量となる。継続してホウ酸を摂取すると下痢など消化器系の不良が生じる可能性がある。 腎臓機能で排泄できない昆虫には毒性が強く現れ、通常殺虫剤として利用される。

その濃度毒性を利用し、欧米では建築用木材で、シロアリや菌類への防虫防腐剤として塗布されている事が多い。近年では日本でも毒性の低さと長期有効性から優良住宅認可/認定され始め注目を集めている。(ウイキペディア引用)