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なぜ滋賀県にはオープンシステムを採用する設計事務所が少ないのか?

仕事の領域が一挙に広がるオープンシステム


滋賀県にかかわらず、オープンシステムを採用し、家を建てている設計事務所は全国で200社ぐらいで推移し、あまり増えていないのが現状です。

オープンシステムの始まりは「店舗の依頼を請けたある一人の設計士が工務店見積もりを取ってみると、どうしても予算に納まらないので、仕方なく各専門工事業者から直接見積もりを取り、工事の工程管理をし、なんとか予算内で建物を完成させることができた。」ことがきっかけです。
工務店を介さずに一人の設計士が設計事務所の仕事と工務店の仕事をしたので、経費が最小限で済み建築費を抑えることができました。それを一般の人にも勧められるようシステム化(保険制度や設計士のネットワークなど)したのがオープンシステムです。

つまりオープンシステムを採用するということは

・設計事務所の仕事

         以外に

・工務店の仕事(見積もりを取る、工事の工程を管理するなど)

・オープンシステム独自の仕事

              が増えることになります。

従来設計事務所が工務店にお任せであった仕事まですることになりますので、一軒の家に対する仕事の領域がかなり広がり、今まで設計業務のみをしていた者にとっては、新たに一から学び直さないといけないことが大変多くあります。

例えば:以外に思われる方も多いと思いますが、一般の設計事務所は計画段階では建築費がいくらになるのかおおよその金額でしか知りません。工務店の見積もりが出てくるまでわからない状態です。
以前にある方が「設計事務所に依頼して模型までできて楽しみにいていたら、工務店の見積もりが出て予算のほぼ2倍かかると言われ大変腹が立った」という話をされていました。
最近、公の建物で計画段階での見積もり金額と、実際に建設会社が出してくる金額に大きな差が生じ、ニュースなどでも問題になっていますね。
オープンシステムを採用するようになって建材の実際の単価や工賃がわかるようになり、予算が厳しい場合、優先順位や代替案を検討するのに「これを変えればここにもっと予算をまわせる」などの実際の金額を押さえた提案ががスムーズにでき、建築予算をご要望に沿ってより活かし易くなったという面で大きなメリットです。
従来工務店の仕事である「各専門工事業者から見積もりを取る」という作業もオープンシステムでは設計士が新たに取り組む作業です。

相見積もりを取り、建築主が契約されるのを設計士がサポートするためには信頼できる業者がたくさん(普通の家で約20種の業種が入ります)必要です。前述のとおり一般の設計事務所は(工務店が間に入りますので)実際工事をする各専門工事業者を知りません。近くのオープンシステムの会員や業者仲間から紹介を受けることはできますが、価格・技術・人間性など信頼関係は一から設計士が自分で築いていく必要があります。

またオープンシステムの場合、設計士が工事工程の管理をするため頻繁に現場に足を運ぶことになりますので、実際工事をしている各業者の職人さんといつも出会い話すことができます。設計の意図を伝え易く、机上で考えた設計書通りにできているかのチェック(従来の設計事務所の監理)だけでなく、現場で実際の納まりを職人さんと知恵を出し合い決定した方が良いことも多くあります。

設計士が実際工事をする業者と直接話ができるこのシステムは、価格面だけでなく提案においても建築時においても大きなメリットがあると実感しています。しかしオープンシステムを検討している設計士にとって今までしたことがない事をするのは、大なり小なりハードルであることも事実です。


オープンシステムの仕事


本来の設計事務所の仕事
設計事務所で家を建てる場合たいていはフルオーダーですから、一邸ごとに異なる注文住宅の設計、構造、法規制、役所への提出書類、建材、デザインなど(ハウスメーカーなどに比べ)決めるべきことが沢山あります。

デザインや建材の決定は用途やご要望に応じて一から考え設計していきます。

模型を作って確認していただきます。

第三者の立場で工事監理を行います(普通の設計事務所の『監理』に比べ、工程管理に頻繁に現場に行くので細かい所まで目が届きます)。


工務店の業務も設計士が行います
見積もりの取りまとめ、予算調整、発注、現場工程管理、現場での構造上の納まりを考えるなどの作業があります。


オープンシステム独自の仕事

全て価格開示で、契約書を作り建築主の方が業者1社ずつと契約していただけるよう手配します。

オープンシステムでの保険などの手続きをします。

建築主の方がいつどれくらいの金額が必要か各業者へのお支払い予定一覧表を作ります。

毎月の業者からの請求を査定後、建築主へ請求書を送付します。

建築主の方に工事の進捗状況を現場監理報告メールで送ります。



オープンシステムを採用するなら、今まで工務店や不動産会社から仕事をもらっていた事務所は厳しい立場になる

自力で設計の仕事が取れていた設計事務所なら、仕事の領域が広がることもオープンシステムのメリットが多いことを考えればなんとかできるでしょうが、今まで工務店や不動産会社と提携していたり、下請け関係で設計事務所を営んできたところは、家を建てるという業務がかぶるオープンシステムを採用することは、今までの関係のところから仕事が回ってくることはほぼ無くなることを意味するので、厳しい立場になることは覚悟しなければなりません。

オープンシステムにしたからといって仕事が沢山くるわけではない

オープンシステムを採用すれば、自然に仕事が来るというわけではないので、他の工務店同様、ホームページを開設したり、見学会を開いたりして、ここに依頼すればどんな家が建つということを知っていただけるようアピールをなければなりません。

たいていの設計士は技術畑出身で、「家は設計できても、どのように営業したら良いかわからない」という点もネックになっているようです。

趣旨に賛同して会員になる設計士は多くても広がらないのは、下請けで仕事を回してもらって設計をしているほうが、面白味が無くても無難であるという人も、残念ながら多いのも事実です。営業と設計は分野が違いますから仕方がないことかもしれません。(逆にマーケティングが専門であったり、宣伝や営業がすごくうまく受注件数を伸ばしているところも世の中にはありますが、「建物はこれ??」ということも結構あり、それも大変気になります。)


建築主に「頼んで良かった」と言っていただけるのが原動力

フルオーダーの家をオープンシステムで仕事を請けるのは仕事量が多く、年間にたくさんの家を建てることはできません。設計の段階からお引渡しまで普通で1年はかかっています。
『手前味噌』になり、大変恐縮ですが、「家を建てるのが好き。儲からなくても、こんな家を設計したい!」という強い思いがなければ続けることは困難なようです。

一邸一邸心を込めて引き渡した家に住んでいただいて「ウイズダムさんに頼んで本当に良かった」、「この家は本当に快適だ。」と言っていただけると建築家冥利に尽きます。そしてこのような建築主の方々の言葉が「また次の家も頑張ろう!」という原動力になっています。



実際にオープンシステムに携われている工事業者の方にインタビューしてみました。

プレカット会社の近藤さん

知識と経験が必要な仕事がウイズダムさんの仕事


大工の寺坂さん

自分の持てる技術を出し切れる仕事


大工の谷本さん

樹齢80年以上の国産無垢材を使える家作り

ウイズダムデザインの施工実績集